新特許(平成26年1月10日登録)「U型肺胞上皮細胞活性剤」について

ニチニチ製薬株式会社は1月10日、北海道大学との共同研究で乳酸菌フェカリスFK-23株の酵素処理物(LFK)がインフルエンザ感染による肺胞上皮細胞の障害(バリアー機能の崩壊)を抑制する機能性を発見し、特許を取得しました(特許番号:5451703)。

インフルエンザウィルスの感染時には、肺の防御機構として免疫細胞による炎症反応が起こります。しかし、過剰な炎症反応により呼吸障害を起こし、多数の死亡者のいることが報告されています。

今回の研究では、乳酸菌の酵素処理物を摂取することにより、

  1. ウィルス感染による過剰な肺の炎症を抑制すること
  2. 肺の保護タンパク質の分泌や、ガス交換に関わる細胞(T型肺胞上皮細胞)に分化できるU型肺胞上皮細胞が増殖し、肺機能障害を緩和させること

が確かめられました。


インフルエンザ治療に用いられる抗ウィルス剤は、過度な使用により薬の効かないタイプのウィルスの出現が問題になります。インフルエンザに対しては、予防が最も重要であることが認識されるようになり、手洗いやうがい、マスクの着用、充分な睡眠と栄養など、その予防手段も一般的に認知されるようになってきました。しかしながら、加齢やストレスなど、ウィルス感染に対する抵抗力(免疫力)を低下させる要因が多い中、インフルエンザに限らず感染症に罹るリスクは避けられません。

乳酸菌による健康増進効果として、整腸作用のみならず、免疫増強作用、抗炎症作用など多数の報告があります。そうした中で、乳酸菌の酵素処理物(LFK)の摂取は、これまでにない作用機序でウィルス感染に対する機能性を持つことが発見されました。今回の特許研究では、インフルエンザウィルスの感染により肺胞上皮細胞のバリアーが壊され、肺炎が起きることに対し、LFKを摂取することにより、それらの肺炎の原因となる過剰な炎症性細胞の肺への浸潤を抑制し、さらに肺胞上皮保護タンパク質の分泌や肺の呼吸器機能に重要な役割を果たす細胞に分化可能なU型肺胞上皮細胞を増殖させ、肺機能障害が緩和されることが確かめられました。このようなLFK摂取による肺機能向上は、細菌性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの肺疾患にも効果が期待されます。